大切なもののために
どいつもこいつもいじらしいなぁ
#ナイスバイス
- 寂しがりな悪魔の心
謎のローリングバイスタンプによって入れ替わってしまった一輝とバイス。一輝の支配から逃れたバイスがどのような危険なことに及ぶのかと前回心配していましたが、蓋を開けてみればバイスが一輝を想う様子に面食らいました。悪ぶっている演技をしながらも、実際は一輝を守るために行動していたバイスのいじらしさがよく表れていました。疑ってごめんねバイス！前回感じた一輝とのコンビの絆は、誰かの横槍を以てしても崩せないほどだったのをここにきて再認識した気分です。（それはそれとして実体を無くしてしまった状況を何だかんだで受け入れている一輝は何なの？）
一方でバイスの寂しがり屋な部分が垣間見えたのも興味深かったです。一輝が実態を保てなくなってしまった中、1人になってしまったことを残念がるような態度を見せてきたのが目が止まりました。（終盤の戦闘後、変身解除した際のバイスの様子からしてその傾向が顕著に見られます）一輝の金でボウリングやら太鼓の達人やらをしまくる中、1人卓球はやっていて空しくならないのか？と思っていましたが、今見てみるとこれも空元気のように感じます。バイスにとって一輝の存在がどれだけ大きくなっているのかがよくわかる回でもありましたね。
- 不器用な人間たち
上述のバイスを筆頭に、多くの登場人物が本音を隠しまくっていた今回。まずアギレラはフリオを危険から遠ざけるため、敢えて突き放していたのは予想通りで、このツンデレとも取れる態度に視聴中は劇中のフリオ共々キュンときてしまいました。オルテカと組む以上、彼に親友を殺されたフリオを連れていくわけにはいかなかったでしょうし、彼女なりの優しさとも取れますね。
そして今回の犯人である真由も本音を隠して事件を起こしていたのが印象的。推しが有名になってしまったばっかりに複雑な心境を抱き、彼女なりに彼らを守ろうとする、面倒くさいオタク心が如実に表れていました。空気階段を想って行動していたのは理解出来るものの、その結果彼らを追い詰めてしまっているのが何とも言えません。
このように何かを守ろうとしてるのにその態度を見せようとしない、何とも面倒くさい人たちが多く登場しました。非合理的で浅はかとも取れる描写が多いですし、良くも悪くも思ったことをすぐ口に出すさくらが疑問を抱くのも無理はありません。
しかし個人的にはこの至らなさは実に人間的だなぁ、と嬉しく思いました。大切なものへの想いを見せず、自分の中で抱え込みながら解決に走ろうとする様子は「合理的ではない人間の感情」がそのまま表出しているように感じます。機械のように常に最善を選べない感情的な面こそ人間らしさだと考える身としては、彼女らの面倒くささはかえって愛おしく思えます。
また自分の弱さ関係なしに突っ込むラブコフに、まさかのカレー食べたさでさくらを救ったカゲロウ･･････欲望に忠実だった悪魔たちの行動と比べても、彼女たちのいじらしさが感じられます。（そう考えるとバイスは少しずつ人間的になりつつあると捉えるべきでしょうか･･････）今回は自分の大切な何かを隠しながら何でもないように振る舞う「不器用」な人間たちの、ちょっと迷惑な話だったのかもしれませんね。
- もう1人の「狩崎」とは？
さて前回一輝たちにローリングバイスタンプを渡してきた存在ですが、こちらも前回の予想通りウィークエンドの手の物だったということが終盤判明しました。狩崎すら「普通の人間の頭脳では開発することが不可能」と驚くこのアイテムを、わざわざ送り付けてきた真意が気になるところ。
とか思っていたらウィークエンドの代表と呼ばれた男が「狩崎」を名乗ってきて仰天しました。バイスタンプを開発するなら確かに狩崎レベルの科学者でなければならないとは考えていたものの、まさかの狩崎本人（？）らしき人物が出てきたのは驚きです。全身黒尽くめで黒ハットとマスクを被っている異様な姿（シュラウドかな？）ですが、素顔に秘密があるのでしょうか。
さてこのウィークエンド側の狩崎ですが、彼が果たして何者なのかが現状最も気になります。狩崎の父親・兄弟説や狩崎の別人格説など、様々な考えが既にネット上で飛び交っていますが、個人的にはメタレド母が提唱した「狩崎の悪魔説」を支持したいと思います。狩崎の悪魔ならば、彼と同じくらい開発者として優秀だとしても不思議ではありません。
思うに狩崎は「リベラルドライバーの実験に自分を使って変身したところ、自分の悪魔が出現して逃げ出してしまった過去」があるのではないかと想像します。それならばウィークエンド側がリベラルドライバーを所持していたこと（悪魔がドライバーを持ち去ったか、あるいは複製したか）や、狩崎があのドライバーを失敗作と評していたことにも説明がつきます。ウィークエンドを作った理由も、宿主を超えようとする悪魔の欲望が発端である可能性もあります。
現時点ではあくまで妄想の域を出ない話ですが、もし本当ならば嬉しいところ。ひとまずはこの説を信じつつ、真相はどうなのか見届けていきたいと思います。
というわけで今回も色々盛りだくさんな内容でした。ただ全体的に満足度は高かったものの、前回に引き続き空気階段の出番が少なかったのは不満に感じましたね。今回に至ってはラスト数分しか出てこなかったのは惜しいと思います。（しかし彼らが出てこない理由付け自体はしっかりしていたのは好印象）役者さんのスケジュールの都合などもあったのでしょうが、せっかくの本人役なのでもう少し出してほしかったところです。
さて次回は一輝を元に戻すため、狩崎によるある実験が行われる模様。バイスにすら警戒されているのもあって不安が拭いきれませんが、これまでも何だかんだで成功させてきた狩崎ならまぁどうにかなるかもしれないという気持ちもあります。予告を見る限りバイスがイマジンよろしく一輝に憑依してるっぽいんですが･･････大丈夫ですかねこれ？
またそんな狩崎がオルテカに誘拐されるという衝撃展開まで待っているようでさらにハラハラさせられます。ただでさえ現在話題の渦中にある狩崎に、さらなる危険が迫っている状況は気にならないはずありません。次回は果たしてどうなってしまうのでしょうか。
ではまた、次の機会に。
