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2022年春アニメ簡易感想 その22

 

 

shonenjumpplus.com

 

 週刊少年ジャンプの王道ファンタジー漫画『ブラッククローバー』が、ジャンプ+にて期間限定で無料公開されました。公開範囲も26巻までと過去最大で、盛り上がるシーンを数多く読めるのは中々に豪華です。(それでいて気になるところで範囲が終わっているので、続きを買ってしまいそうになるよう誘導しているのがまた小憎らしい)漫画の方は現在新章に向けて休載しているとのことですが、その間に作品を忘れられることがないようにここまで太っ腹な判断を下しているのかもしれません。

 真偽はともあれ、こうしてたくさん読めるのは非常にありがたいですね。ラクロは近年のジャンプの作品の中でもかなり好きな部類に入るので、この無料公開は僕にとっても結構嬉しいです。落ちこぼれの主人公が努力と仲間との絆で困難を乗り越えていく少年漫画らしい内容、勢いだけでなく様々な策を以て展開される戦闘シーン、そして意外な形で回収される伏線など、様々な魅力を内包している作品だと思います。他のジャンプ作品と比べるとネット上での知名度は低いものの、面白さは決して他作品と引けを取りません。来月の5日まで無料公開しているので、これを機に多くの人にブラクロに触れてその魅力を知ってほしいですね。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

※今週の『まちカドまぞく 2丁目』はお休みだったため感想はありません。

 

 

 

 

ポケットモンスター

第111話「モーンとリーリエ、雪原の再会」

 泣いた・・・・・・『サン&ムーン』でラスト、父親を探しに旅に出たリーリエ一家の物語の続き、そしてその結末まで描かれたことに衝撃を受けました。行方不明になっていた父「モーン」が記憶喪失になっていた前半はかなりショッキングだったものの、最後に娘たちとの記憶を思い出していく様子に涙が止まりません。リーリエはもちろんのこと、ここまで気丈に振る舞っていたグラジオも子どもらしい態度を見せてくれたのが個人的に素敵でしたね。

 何よりモーンの娘として長いこと彼を一緒にいたウツロイド関連も素晴らしかったです。当初は非常におどろおどろしい雰囲気を放っていましたが(ピアノのシーンと家の鏡が取っ払われているシーンなどが特に怖い)、ウツロイドの真意が判明してからは一転して愛おしさを覚えました。家族を探していたモーンのために、彼が大事にしていた娘を演じるいじらしさには胸打たれますね。そしてそんなウツロイドもまた「家族」として受け入れ、ようやく一家が全員揃うラストに心が震えます。約3年ぶりにリーリエの家族の物語を完結させてくれたことに拍手を送りたいです。

 

 

かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-

第7話「伊井野ミコは愛せない①」「文化祭を語りたい」「白銀御行は膨らませたい」

 それぞれの文化祭の準備が見られた今回。前半は石上とミコがつばめ先輩たち実行委員と協力していく様子が描かれましたが、自分の意見をしっかりと主張出来るようになったミコの成長ぶりにまず感動させられますね。ミコがこれまで行ってきた真面目な活動が、劇中で当人が言っていた「風紀活動は大人たちからの信用を勝ち取るためにある」という形で返ってくる流れは非常に秀逸でした。最初はいがみ合っているように思えた「小野寺麗(おのでら・れい)」とキャンプファイヤー実現のために協力しあう様子も、ミコの頑張りが確かな一歩を踏み出したことを予感させてくれます。一方石上はつばめ先輩を巡って男子たちと壮絶な心理戦を繰り広げていた────!

 さらに中盤はマスメディア部の「紀かれん(きの・かれん)」と「巨瀬エリカ(こせ・エリカ)」の2人が本格登場。スピンオフ作品『かぐや様を語りたい』の主人公である2人による文化祭前のインタビューが展開されました。妄想癖が強いのが玉に瑕ですが、的確にインタビューを進めていく様子に結構見入りました。生徒会メンバーの裏の顔を知らない人間視点で、かぐやや会長がどのように見えているのかを教えてくれる重要な存在でもあるので、ここからスピンオフの座を勝ち取るまでになったのも納得と言えます。

 ラストは例によって不器用な会長パートでした。会長のことを突き放しているようで放っておけずにいる藤原書記も面白いのですが、何より会長の秘密を知って目を輝かせるかぐやが印象的です。当人にとっては弱みでしかなかった面が、大好きな相手からは誰よりもひたむきな強みになっていたことがわかる興味深いシーンだと思います。

 

 

処刑少女の生きる道(バージンロード)

第8話「魔薬」

 人々の生活に忍び込む「魔薬」(「麻」の方ではないので注意)の存在、そしてメノウへの復讐を目論む「マノン・リベール」の目的が明かされた今回。家族を殺した人間の弟子を狙うという理屈はまだわかるものの、そのために大勢を巻き込もうとしているマノンに恐怖を覚えます。柔和な笑顔の裏に隠された狂気を、師に代わって受ける羽目になったメノウが少々気の毒に思えてきますね。人々を魔獣に変えてしまう魔薬もファンタジー要素が強すぎる分、どこかゾッとさせられました。

 また事件解決のために例によって裏で動くモモが描かれましたが、彼女の一喜一憂がいつになく激しかったのが面白かったです。メノウの期待に応えるために様々な手を尽くすものの、愛しの先輩と常に一緒にいるアカリへの嫉妬が止まらない様子に笑いつつも不憫に感じました。特にアカリがメノウの神官服を着たことに怒り狂うシーンは少々可哀想に思えてきましたね。一方で何故か不良の親分となっていたアーシュな王女とのいつも通りのやり取りは何とも安定感があります。ケンカしながら本音を言い合えるこの2人を見ているとほっこりすることを再認識した気分です。

 

 

阿波連さんははかれない

第8話「夏祭りじゃね?」

 桃原先生改め桃ちゃん先生の「あはれ」摂取が止まらない!以前の初登場の時もかなり変わった先生だと思いましたが、今回はその疑惑が確信に変わる要素が満載の内容でした。ライドウと阿波連さんの2人に様々なあはれを見出していく様子には笑いが止まりませんでした。しかも大城さんすらも巻き込むだけでは飽き足らず、妄想の世界で2人の関係を広げてあはれを得ては衰弱していくので、笑いを通り越して唖然となりましたね。(妄想の中のライドウが色々とおかしいですし)一方でそんな桃ちゃん先生と彼女を気遣う「宮平(みやひら)」先生の関係に、見ているこちらもあはれを感じ取る秀逸な構成だったと思います。

 そして後半はサブタイにもある通り、夏祭りでの一幕が描かれました。「石川(いしかわ)」といった仲の良い面々と様々な出店を楽しむ姿にほっこりし、この手のイベントの定番・迷子になる展開まで用意していたことに感心しました。ふたばちゃんも巻き込んだ騒動になるものの、何だかんだでみんな無事に合流出来たことにも一安心。アクシデントを起こしつつも、大きな問題に発展せずに解決していくので気負わず見ることが出来ましたね。

 

 

理系が恋に落ちたので証明してみた。r=1-sinθ(ハート)

第8話「理系が恋に落ちたので後輩に告白してみた。」

 前回に引き続き奏メインのエピソードでしたが、彼女の過去のトラウマと、抱えている「普通」への執着の理由が明らかになりました。祖父に教えられた武術の技が裏目に出てしまった事実には当初シュールなものを感じましたが、その後の人々の冷ややかな視線に対する彼女の絶望は十分に伝わってきました。自分が異質なものとして見られることへの恐怖は、彼女の現在を大きく歪めてしまっているのかもしれません。

 そんな奏に対し氷室と雪村、それぞれの対応が見られたのも興味深いです。前者は“Love”と“Like”の違いを以て「あなたのことが好き」と激励し、後者は「普通とは何か?」と理詰めで叱咤する違いはあれど、どちら当人なりに奏を気遣っていることがわかります。特に雪村の指摘は確かにごもっともなのですが、今の奏にそれを受け止める余裕がないのも事実。果たして彼女の今後はどうなることやら・・・・・・

 あとは前半の山本さん&虎輔&棘田による「キンゼイスケール」の話も印象的。性的志向を大きく分割していくことでただの二次元好きとひとまとめにしない、という彼女らの決意が感じられます。(これは上述の奏の普通問題にも少なからず関わっていきそうですね)何より未だに油断ならない山本さんに対し、虎輔のために釘を刺していく棘田には胸キュンが止まらなかったですはい。

 

 

 ブラクロといえば以前テレビアニメが放送終了した後、アニメ映画化が決定して件も忘れてはいけません。僕はブラクロのアニメはたまにしか見ていなかったのですが、ここぞという時の戦闘シーンの迫力は凄まじいものを感じました。(『NARUTO』や『BORUTO』のアニメを手掛けている「スタジオぴえろ」の手腕あってこそでしょうか)それが映画になれば、テレビシリーズ以上の作画が展開されることが容易に想像出来ます。果たしてどのようなものが見られるのか、続報が待ち遠しいです。

 

 

 ではまた、次の機会に。