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2022年秋アニメ簡易感想 その18

 

 

 

 多くの子どもたちから愛されている児童書シリーズ『かいけつゾロリ』が、ギネス世界記録に認定されたことが先日報じられました。記録の名前は上のツイートにもある通り、「同一作者によって物語とイラストが執筆された単一児童書シリーズの最多巻数」とのこと。長ったらしいうえに少々わかりにくいですが、ようはゾロリシリーズが児童書の中でもトップの巻数を記録したということですね。当記事のサムネにもなっている最新刊『かいけつゾロリ きょうりゅうママをすくえ!』で72巻目に到達したとのことですから、なるほどギネスに記録されるのも当然と言えます。

 さてゾロリと言えば、子どもの頃に1度は読んだことのある人もいるのではないでしょうか。僕自身幼い頃にゾロリを読もうと近所の図書館に向かい、予約待ちであることを知って母と一緒に予約した思い出があります。他にも当時の新刊を購入したり、毎週日曜のアニメを見たりもしていましたね。そんなゾロリが今もなお続いており、子どもたちからの人気を得ていると思うと何だか感慨深いものを覚えます。何気に今月アニメ映画としても公開されるなど、時代を超えて愛される作品なのだと実感しますね。これからも作者・原ゆたか氏の体力が続く限り、物語が展開してほしいところです。

 改めまして、原ゆたか先生、かいけつゾロリのギネス記録認定おめでとうございます!!

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

SPY×FAMILY

第21話「〈夜帷 (とばり)〉」「はじめての嫉妬」

 ロイドと所属が同じ女スパイである「夜帷 (とばり)」もとい「フィオナ・フロスト」が登場。冷たいポーカーフェイスでロイドたちを蹴落とそうとする恐るべき存在……かと思いきや、まさかの黄昏(ロイド)先輩大好きな後輩だと判明した時は劇中のアーニャのように唖然となりました。冷徹な表の顔と、彼のそばにいたい裏の顔のギャップが激しすぎて笑いが止まらなかったです。

 一方でロイドへの愛情と理解度が深いあまり、彼の本音を察してしまうところは可哀想でしたね。自分の方が妻役に相応しいと乗り込んできたものの、偽りの家族でありながら少しだけ幸せそうなロイドを見て脳が破壊されたかのよう展開は割と辛かったです。(16話でフランキーが語った「裏の世界の人間にまともな幸せは掴めない」の証明になってしまった感)流れる涙を雨で隠し、先輩の任務の邪魔をしないよう立ち去るラストでは本作では珍しい悲哀を感じました。

 そしてCパートではアーニャとボンドの微笑ましいやり取りがお口直しの如く開始。こちらはぬいぐるみに嫉妬して思わず破ってしまったボンドと、最初はボンドに怒りながらも次第に彼の想いに気付いていくアーニャそれぞれのいじらしさが感じられました。最後の和平(仲直り)のシーンは実に微笑ましかったです。

 

 

BLEACH 千年血戦篇

第8話「THE SHOOTING STAR PROJECT [ZERO MIX] 」

 見えざる帝国の撤退により難を逃れたものの、多くの人員を失ってしまった護廷十三隊。かつてないほどの事態に混乱を極める中、総隊長たちの死についてそれぞれの形で悲しみを覚える隊長たちが印象に残りました。(個人的には一護へのフォローを忘れない平子がここすきポイント)中でもいつもの如くあっけらかんとしているようで、その実誰よりも悲しみを覚えているかのような京楽の姿が目に焼き付きます。恩師の死を受け止め、その護廷の意志を受け継いでいこうとする彼の覚悟が垣間見えたように思います。

 そんな中以前から名前のみ明かされていた王族特務「零番隊」の面々が登場してからは、空気が一気に緩みはじめて唖然。「麒麟寺天示郎(きりんじ・てんじろう)」の温泉で療養するシーンでは、白哉たち重症人の雑な扱いに爆笑してしまいました。この絶妙なボケと一護のツッコミが飛び交う構図はやはり面白いな、と本作のギャグが好きであることを再確認することが出来ましたね。

 またコンや志波家の空鶴と岩鷲、名前や後ろ姿だけの面々など懐かしのキャラが次々と登場した点も見逃せません。謎の声、一体何ムジョーなんだ……謎の後ろ姿、一体何城と何島さんなんだ……特にかつての敵キャラが次々と味方側として現れ、協力してくれる構図は何だかんだでテンションが上がりますね。反撃に向けて着々と準備が進んでいることを実感する回でもありました。

 

 

チェンソーマン

第8話「銃声」

 姫野先輩が……先輩がぁ…………登場時点から描かれていたアキへの重い好意など色々とフラグが立っていた先輩ですが、予想よりもずっと早く、そして呆気ない最期を迎えたことにかなりのショックを受けました。デンジと同盟を組んだりと微笑ましいシーンの直後だったため、この急転直下の展開はなおさらキツかったです。(そのうえマキマさんたちまで撃たれて衝撃度が半端ない)そのうえアキを守るために戦い、彼の心に傷を残していくのがまたエゲつない。最後の最後に彼の心の残れたという点では、先輩の望みは叶ったのではないかと考えてしまいますね。

 そして新たな敵としてかつてデンジを雇っていたヤクザの孫が登場しましたが、デンジと同質の存在に変身するシーンがこれまた衝撃的でした。ただ初登場の嫌な奴っぷり(「爺ちゃんは良いヤクザ」発言から『忍者と極道』のモブ極道を思い出しました)に加え、戦闘時にはアキや幽霊の悪魔にやられる情けなさも相まって正直強敵感はなかったですね。というか相方らしい少女の方がずっと恐ろしい敵として描かれていた気がするので、なおさらこの孫の何とも言えない小物の空気を感じずにはいられなかったです。

 

 

ヤマノススメ Next Summit

第9話「渓流釣りって、人生?」「ひなた一家と、いざ鎌倉!

 父に連れられて渓流釣りを体験することなった前半。慣れない釣り道具に一喜一憂するあおいたちの様子には大いに癒されました。要所要所で『スローループ』を思い出すシーンもある中、川や木々の風景を共に楽しむ本作ならではの要素もばっちりあったのが良かったですね。また高校受験を控えているここなちゃんの心情を描きつつ、失敗や苦難も楽しむ釣りのスタイルに心のしこりを解いていくような展開が素敵でした。サブタイにもある「釣りは人生」という言葉は、少女たちにゆったりとした余裕を与えてくれたと思います。

 そして後半ではひなたの母親がついに登場!ソファーで呻いている初登場シーンにはビビりましたが、その後の思い込んだら一直線なスタイルは娘そっくりで何とも微笑ましかったです。仕事でのストレスや鬱憤をこれでもかと晴らしながらも、鎌倉の景色を全力で楽しんでいくメリハリの良さは見習いたいところがありました。母親ながらも実に可愛らしい人だったと思います。そして受験や仕事など、”厳しい現実に疲れ果てた心を、余裕を以て解きほぐす”かのような一貫したテーマを全編通して感じられたのがとても興味深かったですね。

 

 

転生したら剣でした

第9話 「ランクA冒険者はバケモノでした」

 前回不審者ロリコンおばさんという印象が拭えなかったアマンダでしたが、今回フランとの模擬戦でランクAとして実力をこれでもかと見せつけてきました。以前の上級悪魔とはまた異なり、余裕たっぷりな態度でフランを追い詰めていく様子は何とも恐ろしかったです。(しかも今回は終始笑顔を崩さなかったのがまた怖い)そんな強敵に対し、師匠のサポートを封じて戦い抜いたフランが何とも勇ましかったですね。自分の力だけでどこまで格上に通用するのか試したい……!という気概を見せつけるシーンでは、少年漫画的な熱さが感じられました。

 また今回何かとフランに突っかかっていた「クラッド」も印象深かったです。フランの昇進ぶりを疑い陰口を叩いたり後ろから狙おうとした点は卑劣ですが、どれも上手くいかないこともあって憎めない小物として留まっていた気がします。(またフランを煽る中、彼女の母が死んだことを知って押し黙るくらいには良心が残っているのが良き)そんな彼もフランに打ちのめされ、さらにフランとアマンダの模擬戦を見て焚きつけられたようなのでホッとしました。悪い子ではないと思うので、どうせなら今後フランと仲良くしてほしいところです。

 

 

異世界おじさん

第8話「俺の知る最強の生物に変身して切り抜けたんだ」

 久々の異世界おじさん感想だイェーイ!!しばらくの放送休止(再放送)を乗り越え、ついに3か月ぶりに新作エピソードが放映されて本当に良かったです。ずっと待っていた分、もう1度アニメで見られたことに喜びを覚えますね。

 というわけで再開した本編ではヘッポコ勇者アリシアと彼女を諫める幼馴染2人、そしておじさんによるダンジョン攻略から始まりました。相変わらずおじさんの斜め上の気遣いと、妙に雑な扱いに遭うアリシアたちの様子が同情と笑いを誘います。しかし気兼ねない関係を築く中で、おじさんが珍しく記憶を消すことを止めたシーンでは感動しましたね。異世界に来てからずっと張りつめていたおじさんの心も、こうして癒されていったのだろうと実感します。

 それ故アリシアたちを死地に赴かせる王国軍の司令官「リカルド=マークフェルド」の元に直談判しに行く展開には燃えました……が、中学の頃の先生に変身して説教してくるのはさすがに予想外すぎて呆気に取られましたね。現代倫理無双というか90年代の厳しい教師の倫理観無双を見せつけられた気分です。その後イキリ散らかすメイベルやりカルドを諭すシーンなど笑いと熱さを交互に展開していくのが見どころでしたが、最後の最後におじさんとたかふみの2人で恐竜になるオチに全てを持っていかれてしまいましたよえぇ。

 

 

 ゾロリと言えばもう1つ、ギネス記録認定のニュースと共に作者の原ゆたか氏の素顔が公開された件も印象深いです。ゾロリをはじめとした氏の著作では、作者自身が「原ゆたか」というキャラクターとして度々登場・メタ発言などをしていることで有名です。僕自身原ゆたかと聞くと「あの顔」がぱっと思い浮かんできますね。そんなことを考えながら氏の素顔を見てみたのですが……

 

 

 僕が知ってる原ゆたかの顔だ……!

 原作に登場する原ゆたかをそのまま実写化したかのような見た目で本当に驚きました。初めて見たはずの顔なのに、すごい既視感を覚えます。自分の顔の特徴を捉え、絵で表現してみせる原ゆたかという作家の実力をここにきて感じ取った気分です。

 

 

 ではまた、次の機会に。