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デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編(デュエル・ウォーズ) 第1話「祝入学!マイハマ学園」感想

暗闇を照らす光

掴み取れ!

まだ見ぬ舞台で、ウィンの新たなデュエマが始まる!!

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 ついに始まりました、デュエマアニメ新シリーズ。前作『デュエマWIN』に『決闘学園編(デュエル・ウォーズ)』という副題が付く珍しいシリーズとなりましたが、ウィン編の本格的な始動でもある今期のストーリーに早速楽しませてもらいました。今回は本作の感想を少しですが書いていきたいと思います。

 

 

  • 楽しむ場所を自ら作り出せ!

 というわけで今回まず目に付いたのがウィンがマイハマ学園のギャップに戸惑う様子。念願のデュエマの学園に入学しデュエマ三昧の日々に胸を高鳴らせていたものの、いざ始まったのは座学ばかりでがっかりする主人公の姿が印象に残りました。ただこの展開に関してはまぁ予想通りといったところですね。何でもデュエマを通して学ぶ学園と言っても普通の勉強をするのは当然ですし、それに対してウィンが「これじゃない」と感じるのも無理はないかと思われます。(でも個人的にはデュエマのルールの歴史とか学んでみたいですし興味深い授業が多いです)

 しかし我らがウィンはそんな学園の現実を前にしてもめげないのが流石といったところ。それどころかデュエマを思う存分楽しめる「デュエマさいこークラブ」設立を目指すのは素敵でしたね。自分が求めている「楽しいデュエマ」が授業の中では味わえないのなら、味わえる場所を作ればいいという発想には少々感心させられます。まだウィンが登場してから半年くらいしか経過していませんが、彼が何を望んでいるのかなど、視聴者が主人公のキャラクターを理解しつつあることを実感する一幕でもありました。

 あとは学園態度に関しては不良生徒そのものなのも解釈一致。退屈な授業はサボるに限る!といったノリは実にウィンらしいと言えます。それどころかデュエマパートで新カードを味わうためにわざと攻撃するなど、好奇心旺盛なところを見せてくれるので思わずほっこりさせられます。(そうした利敵行為をしたうえで勝つんだから恐ろしい)はたから見ると型破りなことを全力で楽しむ不良ですが、だからこそ面白いウィンの魅力が詰まった1話でしたね。

 

 

  • 学園を駆け巡る生徒と教師

 ウィン以外にもカイザといった学園関係者が印象に残る今回。中でも新キャラの「ウガタ(穿田見(うがた・けん))」はウィンの新たな仲間としては結構面白い少年でした。寮で同室になったウィンを出合い頭に疑い、名前をすぐには明かそうとしないなど慎重すぎてかえって何もしていないシュールさはかなり新鮮です。また前作のウィンの親友たちはみんな大なり小なりテンションが高めでノリが良かったので、ウガタのダウナーな様子がかえって異質に感じますね。その慎重ぶりでウィンを振り回したり逆にウィンに振り回されたりと、これまでとは異なる主人公の親友枠として期待が持てる子だと思います。

 他にはウィンたちの担任の先生である「AIロボ先生」も印象的でした。ヒゲを生やしたスマホンのような見た目をしているロボット教師で、イメージ通り頭が固くウィンを叱ってばかり。しかしウィンとのデュエマに快く応じたり「カードのテキストは読む重要性」を説いたりするなど、真っ当なところもあるのでそれほど悪感情を抱くことはなかったです。むしろやりたい放題なウィンをたしなめてくれる先生として、物語を賑やかにしてくれそうですね。総じてパパリンやランナーといった前作の愛着の湧く仲間たちが登場しないことが寂しかっただけに、彼らのような新キャラをすぐに好きになれたのは嬉しいところ。ウィンとウガタたちの絡みをもっと見てみたくなりましたね。

 

 

  • 運命をめくり奇襲(レイド)する赤き騎馬竜

強襲竜(きょうしゅうりゅう) ボルシャック・レイダー 火文明 (8)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン
パワー8000
▪️スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
▪️W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
▪️このクリーチャーが攻撃する時、アーマード・メクレイド8する。(アーマード・メクレイド8:自分の山札の上から3枚を見る。その中から、コスト8以下のアーマードを1枚、コストを支払わずに使ってよい。残りを好きな順序で山札の下に置く。)
レイド・エントリー 火文明 (6)
呪文:アーマード・アーツ
▪️このカードを山札に加え、シャッフルする。
▪️アーマード・メクレイド8する。

 AIロボ先生が繰り出した火文明の切り札。《ボルシャック》の名前を持つクリーチャーの1体にして新シリーズの目玉ポイントを持ったカードです。見た目はアーマード・ドラゴンらしく装甲や武器(しかもドリル付きガトリング!)を纏っている反面、前屈みの態勢で前肢が非常に小さいという従来のドラゴンとは異なるものとなっています。どちらかというとティラノサウルスといった肉食恐竜に近いスタイルですね。(このようなデザインになっているのは後々登場するであろうカイザの新切り札と関係があるのですが、それについてはまた後日)

 カードとしては久々登場のツインパクトカードで、クリーチャー面と呪文面共に新能力である「クレイド」を有しているのが最大の特徴。デッキトップから3枚を確認して指定の条件を満たしたカードを出せる踏み倒し能力ですが、従来の踏み倒しとは異なり条件さえあえば呪文やタマシードでも出せるという柔軟性が売りとなっています。(ツインパクトカードがめくれた場合は、指定を満たした方を選んで使うことが出来ます*1)3枚の中から1枚を出せるため外す可能性が少なく、またテキストに「使う」とあるため《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》のような召喚以外を封じるメタにも強いのはかなり便利です。

 そんなレイダー自身のクリーチャー面は、一言で表すならメクレイド版《竜星バルガライザー》と言ったところ。コスト8のスピードアタッカーで攻撃時にアーマード・メクレイド8を発動、コスト8以下のアーマード種族持ちを踏み倒せます。このクリーチャー自身が踏み倒しの範囲に入っているので、2枚目・3枚目と連鎖的に出し続けられるのが最大の魅力となっています。そうでなくとも即座の攻撃で最低1枚は踏み倒しの仕事を果たせるでしょう。上述のバルガライザーとは互いに踏み倒せる関係にあるので、いっそのこと両方を入れておくのもアリですね。

 そして呪文面は「アーマード・アーツ」という新種族を引っ提げた特殊なメクレイド呪文。アーマード・メクレイド8を発動するのはクリーチャー面と同じですが、その前にこのカード自身を山札に加えるので唱えた呪文面でクリーチャー面を出すといった芸当が可能。山札操作との相性は悪いものの、実質2コスト軽く召喚出来るので不確定ながらこちらを使って出すことが多くなるでしょう。(余談ですが山札がこのカードを除いて2枚以下の状態で唱えた場合、無限にこの呪文を唱え続けられるという意味はないけど面白い現象を起こせます)

 クリーチャー面がそこそこの重量級なので狙って出すには様々な工夫が必要になってきますが、それこそ劇中で使われた《ボルシャック・爆・ルピア》のように他のメクレイド持ちカードとの組み合わせがカギになってくるでしょう。アーマードを主軸とした新たな【連ドラ】のメインを張れるほか、新能力を退官するのにうってつけの魅力的な切り札となってくれることに期待です。

 

 

  • 蘇れ!闇の底に眠る魂よ!

極印呪文(きょくいんじゅもん)「インフェギガ」 闇文明 (2)
呪文
▪️S・トリガー・プラス(この呪文を自分のシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい。それが相手のターンで、そのターン中に自分のシールドが2つ以上ブレイクされていれば、この呪文にP能力を与える)
▪️自分の山札の上から3枚を墓地に置く。
▪️P−コスト5以下のクリーチャーを1体、自分の墓地から出す。

 ウィンがロボ先生戦で披露した新呪文。「ゴッド・オブ・アビス」から登場した《○○呪文「○○」》の法則に当てはまるサイクルの1つです。(このサイクルは「まるでプレイヤー自身が呪文を唱えているかのようなイラスト」が面白いです)そのカード名とイラスト、何より後述の効果から殿堂カードの1枚《インフェルノ・サイン》を意識していると思われます。

 その性能は何といっても新能力「S・トリガー・プラス」が最大の目玉。通常の効果に加えて、ターン中に複数ブレイクされた際に追加効果を発揮するS・トリガーの亜種。類似能力であるスーパー・S・トリガーと比べると相手ターン限定になっているものの、追加分が発動しやすくなっている分使いやすさが向上していると言えます。*2

 このカードの効果はまず山札3枚を墓地に置き、追加効果でリアニメイトするというもの。事前に墓地肥しをするおかげでこの手のリアニメイトの弱点である「墓地から出したいクリーチャーがいない」といった事態をある程度防げるようになっており、確実な踏み倒しを可能にしてくれています。それでいて手札にある場合は序盤の墓地肥し手段として手打ち出来るので、腐る場面は少ないでしょう。

 さらに注目すべきはリアニメイトの範囲ですね。「コスト5以下のクリーチャー」以外の制限が一切存在しないため、墓地を利用する様々なデッキでの採用が見込めます。単純にブロッカーや除去系のcipを持ったクリーチャーを出すだけでも十分強いですが、どうせならさらなる展開などを狙ってみたいところ。

 《王来英雄 モモキングRX》や《魔光神官ルドルフアルカディア》を出してさらに進化クリーチャーを重ねてみたりするなども面白そうです。話題の《絶望神サガ》で相手ターンにループを開始する方法ももちろん考えられます。組み合わせ次第で様々なコンボに繋げられるカードなので、今後要注目の1枚になるかもしれません。

 

 

  • 闘志を燃やすOP&日常を楽しむED、そして奴らが?

 新シリーズに入ってからの注目ポイントの1つとして挙げられるのがやはりOPとED。特に今期の2曲は個人的にかなり見逃せないものとなっていました。何と言っても影山ヒロノブさんが歌うOP「Winner Win!」は最高の一言。デュエマで勝利を目指す者たちの情熱を、影山さん特有の熱いシャウトで彩っているので聞いているだけでテンションが上がります。サビのウィンチームとカイザチームの対決の様子は、クリーチャーのCGの勢いも相まって妄想が捗りますね。(それでいて「デュエマは最高!」といった“楽しさ”を推しだすフレーズもあるのが素敵アニソン界のレジェンドの1人というだけあって、かつてないほどの存在感を放つOPになっているかと思います。

 そしてEDを歌うのは男性ボーカルグループの原因は自分にある。さん(旧グループ名は「BATTLE STREET」)。7人の若者が歌う「放課後ギュッと」はOPとは対照的に、楽しい学園生活を描いているのが特徴的です。映像もウィンと仲間たちが何でもない日常を存分に過ごしている様子が展開されており、勉強といった煩わしいものなどを忘れて純粋に楽しむ心を思い起こさせてくれそうな素敵なEDですね。何かとウィン側を見つめるボウイやデッキーらしきメカを作る一般生徒など、小ネタが満載で見ているだけでもワクワクさせられます。(余談ですが当グループのメンバーの1人「杢代和人(もくだい・かずと)」さんは、本作の30分後の番組『仮面ライダーギーツ』で吾妻道長仮面ライダーバッファを演じていたりします

 

 熱いOPでテンションを上げ、楽しいEDで心を休めるといった感じで楽しめる両曲ですが、それ以外にも映像からマイハマギャングのマズキとケンドラが確認出来るという見逃せない情報が存在します。前作でシャークトレードやイカサマを目論む卑怯なデュエリストという印象の強い2人が再登場するだけでも驚きなのに、ウィンの仲間としてレギュラーで活躍するらしいことには度肝を抜かれました。彼らが味方になるとは恐らく誰も予想出来ていなかったでしょう。前作の時点では明らかに敵キャラのままフェードアウトしたマズキたちですが、ここから如何にしてウィンと友情を結ぶのか実に気になります。そういった意味でも衝撃的なOP&EDだったと言えるかもしれません。

 

 

 というわけで次回はそんなマズキとケンドラを、ウィンがデュエマさいこークラブに勧誘する模様。明らかに部活設立に必要な数合わせ要員で誘おうとしていますが、このギャングたちが素直に入ってくれるとは思えません。そもそもはこいつらどうやってマイハマ学園に入学したのだろうか……?といった疑問はよそに繰り広げられるであろう入部を賭けた攻防が楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:クレイドで唱えられるカードは指定された種族を持っている必要があるため、クリーチャーが条件を満たしていても呪文が種族を持っていなければ唱えることは出来ない。

*2:ただし追加効果発動の条件である「そのターン中に自分のシールドが2つ以上ブレイクされていれば」が同ターン1枚ずつシールドをブレイクした場合も含めるのか当記事執筆時点では不明。今後の裁定発表次第で使い勝手の予想が変わると思われる。