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ARMOREDSAURUS(アーマードサウルス) 簡易感想(第5~8話)

 

寂しい休暇

寂しい休暇

  • キム・ソジン
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 約1か月前に投稿したアーマードサウルスの簡易感想。その続きをようやく投稿することと相成りました。まずは今回も当感想を読んでいただきありがとうございます。前回の投稿から感想をちょくちょく見てくれている人がいるようで、その人たちに向けて再び感想を書くぞ!と張り切っている今現在です。

 

metared19.hatenablog.com

↑前回までの感想についてはこちらの記事を参照。

 

 というわけで当記事では前回からの続きである5話から8話の感想を書いていく予定です。主人公であるはずのジンが今のところあまり活躍していないままですが、ここから彼なりの頑張りが少しずつ見られていくのか個人的な注目ポイントの1つです。というわけで今回もよろしくおねがいします。

 

 

 

 

 

第5話「ティーレックスの拉致」

 前回のラストでコンテナごと攫われたジンがついに赤竜とのリンクを果たして脱出するものの、赤竜を制御出来ずハンギョル先輩を傷つけてしまう展開は中々にショッキング。幸い先輩は無事で彼自身ジンを恨みはしなかった(むしろ心配してくれる辺り本当にいい先輩だ……)ものの、だからこそジンにとってはその優しさが辛いということが読み取れましたね。苛立ちのあまり思わず赤竜を責め立ててしまう姿は、ここまでの激動ぶりに彼の心が限界を迎えているように感じられました。

 その分以降のジンは赤竜とリンクするための訓練で真剣になっていくのが良かったですね。これまではわけもわからないまま状況に流されてきただけですが、ようやく戦える力を持つものの自覚が出始めたことが伝わってきました。リンクは一応出来たようですが(ずっと暴れていた赤竜がリンク成功した瞬間スンッと大人しくなるシーンがじわじわくる)、先輩の穴を埋めようとする主人公に応援したくなる魅力が出てきたと思います。

 また今回はハンギョル先輩とミル相手に生身で戦った謎の傭兵「JJ」の登場やDアーマー司令部に潜むスパイの疑惑など、各組織での不穏な描写も多かったです。中でも司令官に疑いがかけられている様子は中々に緊張感がありました。確かに前回までの強引さなどは目に余るものがありますが、ここまでくると司令官はミスリードなような気もします。となると果たしてスパイは誰なのか……

 

 

第6話「ヨンフの飛行」

 サブタイにもあるようにこの回はメインキャラの1人である「ヨンフ」にスポットが当たっていました。如何にもなエリート気質でかつクール、そしてDアーマーを支援している財閥「AKグループ」の御曹司とライバルキャラの要素が彼に1人にこれでもかと詰まっています。取り巻きの男子にチヤホヤされたりする様子などテンプレすぎて、妙な安心感を覚えますね。(慌てる取り巻きの言葉にだからどうした?とばかりの態度を見せるのもある意味でお約束)

 そんなヨンフ自身の内面が濃く描かれていたのも印象的。表面上は周囲の評価など気にしていないような素振りですが、その実母に褒められたい一心で頑張っている事実に胸打たれました。カウンセリングで「失望されたくない」と吐露しているシーンなど、そのいじらしさから一気に彼に対する好感度が上がりましたね。一方で母の「アギョン」は息子を目立たせるためにジンを貶めようとする浅ましさを見せてくるので少々呆れてしまいました。この母親とどう折り合いをつけるのか、がヨンフというキャラの課題となっていくのでしょうか。

 そしてヨンフの相棒であるプテラノドンリオ」の戦闘シーンは実にカッコよかったです。プテラノドンは厳密には恐竜ではないって?うるせぇ細かいことはいいんだよ!華麗に飛び回る姿はもちろんのこと、地上に降りてカイザー軍の兵器を倒すなど飛行能力持ちの利点をこれでもかと活かした戦いぶりには惚れ惚れさせられます。ミサイルでの爆撃もド派手でしたが、中でも翼に鋭利なブレードを装備して空を飛びながら敵兵器をバッタバッタと切り伏せていくシーンが個人的なお気に入りですね。

 

 

第7話「リンクの始まり」

 ヨンフメイン回も終わって再びジンのターンに。5話では赤竜(なんかいつの間にか「ブルズ」と名付けられている件*1)とのリンクを成功させたものの、6話では言うことを聞いてくれないわ今回も戦闘中に途中で勝手に行動するわとまたもや散々なジンの姿が描かれていました。結局ジンはパートナーと一体化出来ているのか、そこら辺がはっきりしているのは見ていて何とももどかしいですね。ジンが小屋を掃除している時は大人しいですし、戦闘中に興奮してしまうブルズの考えがよくわかりません。

 ジンはそんなブルズの気まぐれに苦戦したり、フンの片付けで失敗したりと散々ですがそれでもめげないと意外と逞しい。最初こそ能天気ぶりすぎないかと思われた主人公の性格も、ここまでくるとかえって尊敬の念を抱いてしまいます。幼い「アイン」と一緒に没収されたインスタント麺を盗み出してこっそり食べるシーンなど、過酷な訓練な戦いの中でも自分らしさを忘れていない辺りは実はかなりタフなのかもしれません。

 戦闘シーンではそんなジン&ブルズのムラのある戦いぶりもありますが、それ以上にヒロインの「セナ」とアインが印象に残りました。セナは前半のクモ型兵器相手に冷静に戦い抜く様子がクールで、1話から見せているトリケラトプスシーザー」とのコンビネーションからは歴戦のエースといった風格がありましたね。対するアインは「エリザベス」「ステラ」「マドレーヌ」という3匹のラプトルを同時に操る変則タイプなのが面白いところ。パートナーとマシンを直接合体しない遠隔操作も興味深いです。

 

 

第8話「寂しい休暇」

 前回のラストでジンとアインが敵の罠に嵌ってしまったところをブルズが救う、というまたもや赤竜の底知れない力が伺えた8話の冒頭。拘束モードを自力で解除するパワーとさっきまでジンの言うことを聞かなかったのに彼のピンチには駆けつけるところに、僕の中で「気まぐれツンデレなブルズ(赤竜)」というイメージが出来上がった気分です。

 それは置いておき、この回はDアカデミーの様子がメイン。模擬戦から始まり、武術の訓練や休憩中でのジンたちの奮闘が描かれていました。中でもジンが徐々に他のリンカーたちと打ち解けていくのが印象に残りました。訓練では未だにヘッポコながら、自由時間のバスケなどを通じて彼らと仲良くなっていく過程にほっこりさせられました。他にも食事中に雑談したりと、学生らしい光景が何とも可愛らしいです。加えて休暇期間アカデミーに残ったジンとセナでパートナーと散歩する、といったブコメっぽい展開には思わずテンションが上がりましたよえぇ。

 そんな若者たちの微笑ましい青春に癒されているのも束の間、司令部でのスパイ探しのパートに再び顔をしかめることに。今度は教官の「ジ・ガンウン」に疑惑の目が向けられますが、そんな彼女と面談する監察チームを今度は司令官が警戒するなど、最早誰が怪しいのかわからない混沌の様相を呈してきました。教官の過去など気になる話も出てきましたし、誰がどのような思惑で動いているのかで混乱させられそうになりますね。

 

 

 そんなこんなでアーマードサウルス感想でした。上述の通りジンがつまづいたりするものの、少しずつ前に進んでいることがわかる回が多かったです。またヨンフやセナといった他のキャラの掘り下げも進み、物語も本格的に動いてきた感じです。4話までは困惑が多かった中、ようやく本作の楽しみ方がわかってきたように思います。(しかしセナはクールでストイックな姿勢を崩さない……そんなミステリアスな面に不安を覚えます)

 僕個人はジンと他リンカーのやり取りが気に入っています。最初こそマグレで入学したジンを疎ましく思っていた生徒たちが、少しずつジンに心を開いていく様子は中々にカタルシスに満ちていました。ジンの食べるインスタント麺に「なんだこれは?」とばかりに注目したり、バスケの後にジンを認めたりと、学生たちの青春模様にニヤニヤしっぱなしでしたよえぇ。(中でも食堂でお互いの食事を取り合ってふざけあうシーンがここすきポイント)大人たちがスパイ探しで殺伐としているからこそ、少年少女のこういったシーンが貴重な癒しになっているとも言えますね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:ジン以外は赤竜あるいはティーレックス呼びだったので、ブルズという名前はジンが勝手につけたあだ名かと思われる。