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仮面ライダーガッチャード 第28話「ベロベロ怪奇!蓮華の里帰り」感想

まるっとお見通しだ!!

ごめんスターシャイン星野のこと考えてた

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  • ケミーの力、お借りします!

 グリオンを倒し錬金アカデミーに戻ってきた宝太郎。今回はそんな彼らの平穏な日常……ではなく、波乱に満ちたコメディが展開されました。蓮華のお婆ちゃん「美園民子(みその・たみこ)」が暮らす九ツ村で起きた妖怪騒ぎの解明、というちょっと『TRICK』っぽいオカルト的内容が面白おかしく描かれていたのが印象的です。シリアスの後にこうしたギャグ回が挿入されるのがガッチャードの特徴でもあるので、それをいつも通りにやってもらえるのは視聴者としても安心させられます。

 そんなTRICK感を強めていたのが今回のゲストキャラである「スターシャイン星野(ほしの)」。妖怪退治を専門とする退魔師……を自称する謎の男として登場した彼のハイテンションかつ胡散臭い言動の数々には大いに笑わせてもらいました。(久々に登場した加治木が星野の弟子の「パンドラ加治木」とか名乗っていたのも腹筋に悪いです)如何にも似非霊媒師みたいな風貌ながら、ハイテンションなキャラでそれらを吹き飛ばす圧倒的な存在感が何ともシュールの一言。加えて回想シーンの修行をサボる生臭坊主なところからして、ろくでなしの雰囲気を漂わせています。

 ただそんな星野の数珠に多くのケミーが宿っている情報は興味深いポイント。星野に宿っているケミーはマーキュリンにキンキラヴィーナ、グランドサターンにジュピッタいずれも強力とされるコズミックケミーばかり。そこにハイパーバトルDVDで宝太郎がガッチャしたというファイアマルスまで加わって、火水木金土揃って星野に力を貸す様子は中々に異様でした。何よりケミーと一緒にいてマルガムにならないどころか、協力して貰えていることから「星野が悪人ではない」ことが読み取れるのが面白いですね。妖怪退治に来た目的も単純にチヤホヤされたいだけの可能性が高いですし、ウザいけど善性もある憎めないポジションに収まりそうです。そんなスターシャイン星野の次回の動向にも注目したいところです。

 

 

  • 愉快な妖怪退治に潜む悪意と謎

 色々と濃いスターシャイン星野に限らず、ギャグ要素が全体を通して非常に多めだったのも今回の見どころですね。妖怪騒ぎを聞いて蓮華の元に駆けつけた宝太郎たちの内、りんねが妖怪(のフリをしたオカルトケミーのベロソルとケアリー)を見てテンションが上がるシーンにはこっちも吹き出してしまいました。修学旅行のお化け屋敷でもそうでしたが、ここにきてりんねのホラー好きという面が再び描かれたのは面白いですね。父親との確執も解決して、本来の子どもっぽい部分が出てきたと思うと結構微笑ましい話です。

 ガッチャードの戦闘シーンも今回はかなりコミカル。序盤は宝太郎がりんねたちによって強制変身させられるだけでも愉快だったのに、ベロソルに脛を蹴られるわと散々だったのが本当におかしかったです。またその後の「カラカサオバケマルガム」&「フェアリーマルガム」との対決は、ケミー2体の回るコンビネーションが印象的。海老一染之助・染太郎氏の「傘で毬を回す芸」の如き技は、本作では珍しいマルガムのギャグ要素になっていたので結構新鮮でしたね。倒される瞬間までテンションが戦ったのもあって、マルガムの恐ろしいイメージはそのままにちょっとユーモラスに溢れた描写になっていたと思います。

 その一方で村を産業廃棄物の最終処分場にしようとする地上げ屋の存在など、悪意を持った人間によるちょっとシビアな要素があるのも本作らしいポイント。ここ最近はグリオンたちとの戦いがメインだったので忘れていましたが、こうした悪人が自然に登場するのもガッチャードという作品の特徴の1つなので懐かしく感じますね。(とはいえお化けを見て即座にゴミを投げつけられる悪人は珍しい気がしなくもない)むしろこの悪意と未だ残る謎に対して、残された村人と宝太郎たちはどんな解決策を出すのか非常に気になってきました。

 

 

 というわけで28話の感想でした。胸熱な展開だった前回とは打って変わってのトンチキ要素満載と、シリアスとギャグの緩急が激しくて大笑いしてましたね。上でも書きましたが、それぞれがガッチャードらしいと思えるのが本作の素晴らしい特徴にして作風だと思います。(悪意のある人間に関しては他にも「今までのことを棚に上げてグリオン討伐を褒める」錬金連合の連中がクソ上司だな~!とか思ったり)

 それでいて今回は村で起きている怪現象の謎を残した、ミステリー要素があるのも見逃せません。村に祀られている「お狐様英寿「呼んだ?」が大いに関係していそうな、村の因習にも関わる展開になりそうです。中でも個人的には民子お婆ちゃんがキーパーソンになりそうと予想根岸季衣さんという大物を起用している以上ただの過保護な祖母で終わるとは思えないので、蓮華の活躍共々期待したいです。

 

 あとはやはり今回の監督を務めた田口清隆氏と、スターシャイン星野役の青柳尊哉さんについても語っておきたいところ。『ウルトラマンオーブ』や『ウルトラマンZ』などで関わってきたコンビのニチアサライダー本格参戦回でしたが、揃ってトンチキ展開の適性が高いのが本当に面白かったです。特に田口監督特有の「演者の顔をドアップにする演出」は、ガッチャードのようなギャグ要素の強い作品でこそ輝くと感じましたね。(余談ですが田口監督はベロソル役、青柳さんはグランドサターン役でそれぞれケミーを演じていたのも面白ポイント

 他にもウルトラマンで有名な2人ということもあってか、そちら由来の小ネタも多かったです。例えば……

 

  • 現在宝太郎たちが入手したケミーカードは78枚→「M78星雲」が元ネタと思われる
  • 星野に宿るコズミックケミーと「エレメント」発言→『オーブ』ではエレメントというワードが頻出していることから来ているのかも?
  • 星野が回想シーンで食べていた「夜明けの三日月ラーメン」→青柳さんが演じるジャグラスジャグラーは“三日月”がモチーフ&『Z』でカップ麺を食べていた

 

 といった感じ。こじつけ臭いものもあるのですが、こうした会社の枠を超えたお遊びは見ている側としても結構楽しいですね。次回の田口監督の演出にもこうしたお笑い展開を期待したいです。

 

 

 そして次回は村長が犬神家みたいな被害に遭ったことを皮切りに、スターシャイン星野が疑われるというまさかの事態になる模様。彼らの無実を晴らすために宝太郎たちが立ち上がる中、新手のマルガムが襲い掛かるとのことです。この謎のマルガムの正体とは?そして村を襲う怪奇現象の真実とは?笑える要素はもちろんのこと、ちょっと感動的な話になりそうな点も楽しみにする所存です。

 

 

 ではまた、次の機会に。