新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

ARMOREDSAURUS(アーマードサウルス) 簡易感想(第21~25話)

 

決戦の日

決戦の日

  • キム・ソジン
Amazon

 

 前回から続けて入れてくるアーマードサウルスの感想。今回でようやくシーズン1(第1シーズン)全話制覇です。期間を空けながらも何とかここまで書き上げることが出来ました。ほんの少しでもこの感想を読んでくれている皆様に、まずは感謝を申し上げたいところです。

 

metared19.hatenablog.com

metared19.hatenablog.com

metared19.hatenablog.com

metared19.hatenablog.com

metared19.hatenablog.com

↑前回までの感想についてはこちらの記事を参照。

 

 というわけで今回は上述の通り21話から25話までの、シーズン1終盤までの感想を書いていきたいと思います。セナの出生に関わる秘密から進んでいく怒涛のストーリー、そして最後に明かされる衝撃の真実と息もつかせぬ展開の連続で本当に驚きっぱなしでした。それらの濃密な終盤を目撃した時の、言葉を失った時の気持ちも込めていきたいです。

 

 

 

 

 

第21話「お母さん」

 前回のラスト、Dアーマーの方から「セナの母親」を名乗る女性が現れてから始まった波乱の幕開け。周囲の驚きと歓迎ムードをよそに、母との対面を拒むセナの雰囲気にまず息を飲みました。これまで少しずつクールな表層が剥がれつつあったセナですが、今回で本格的に感情的な場面が描かれてきたと言えますね。いきなり母だと言われても困惑するであろう彼女の心境がわかるだけに、親子の再会を望む仲間たちとの気持ちのズレが残酷に映されていました。

 それでもジンたちの言葉を受けて、少しずつ母と会う準備を重ねていく過程が印象的。「関係ないでしょ」と声を荒げながらも、彼らの善意をしっかりと受け止めて自分なりに考える様子に胸打たれました。(またヨンフの「確かに関係ないけど、君の幸せを願っている」がここすきポイント)いざ母と対面した時の感情が揺れ動くさまも感じ取れましたし、一見鉄面皮ながら様々なことを考慮する情緒豊かなセナのキャラクターを実感した次第です。ただまぁ、それだけに司令部とヨンフ母との腹の探り合いにじわじわとした不安を覚えましたが……

 

 

第22話「セナ」

 ようやく母親と打ち解けてきたところで、DNA鑑定で母が赤の他人だと知ってしまうセナ。目的もわからないまま彼女が偽物だったという事実を突きつけられてショックを受ける様子はもう見ていられませんでした。しかも訓練で自暴自棄になっただけでなく、自分の出生記録を勝手に調べてDアーマーを脱出した時は呆気に取られましたね。警備員をバッタバッタとなぎ倒していく光景は結構爽快でしたが、ヨンフたちから背を向けて逃げ去る様に悲しい気持ちにさせられました。前回に続いて、自分が何者なのかというセナ本来の苦悩が見えるだけに彼女の辛さが伝わってきます。

 そんなセナの気持ちに寄り添おうとするジンたちと、偽の母親の件で不穏な影を見せ始める大人たちの対比もこの回の注目ポイント。特に後者では偽母を送り込んだのがヨンフ母とレシアスだと判明したのもあって内心憤慨してしまいました。司令官もセナの出生の秘密をひた隠しにしていますし、彼女の傷ついた心を知れば知るほどそれらを蔑ろにする大人たちの卑劣さに憤りを覚えます。

 あとはやはりジンが珍しく怒りを見せたのが意外でしたね。普段おちゃらけている態度とはまるで別物でしたが、「親の顔すら知らない」という共通点でセナの苦しみを理解していると知ってからは納得がいきました。本人のいないところで可哀想と言い放つ同級生に対し、「セナの気持ちを知らないで勝手に憐れむな」と言い放つ主人公は、上述の大人たちとの対比も相まって素直にカッコよかったです。

 

 

第23話「死闘」

 セナが逃亡したショックを受け止める暇もなく、久々の本格戦闘が開始されることになった23話。この回で姿を現わした「プラウトゥス」は機械恐竜帝国のNo.2の機械恐竜とのことで、その巨体と複数の翼を持ったビジュアルに度肝を抜かれました。恐竜というよりもはやドラゴンともいうべき風貌なので、敵ながらめちゃくちゃカッコよく感じてしまいますね。後述の圧倒的な強さも相まって、敵の主戦力であるという情報にも強い説得力が生まれていたと思います。
 そんなプラウトゥスとの戦闘ですが、案の定阿鼻叫喚の様相を呈することに。前線にはあまり出てこないAリンカーも出動するなど現時点での総動員で戦闘が始まりましたが、まるで歯が立たないので絶望感マシマシでしたね。どんなに攻撃してもビクともしないどころか、向こうは少し動くだけで味方がまとめて吹っ飛ぶ光景は崖っぷちという言葉が似合うほどだったかもしれません。ジンとブルズが打ちのめされるシーンもショッキングでしたが、個人的にはエリザベスが吹っ飛ぶ瞬間に声を上げてしまいました。(加えて次回でエリザベスの死亡が確定してさらなるショックを受けたり)

 また前回のセナが暴いた出生の秘密、彼女がゲノム編集で造られた子どもだという真実は何となく予想していました。とはいえこのことで司令官と副司令が口論を繰り広げる様子は何とも言えない気持ちにさせられます。人類の存亡を優先する司令官と子どもたちの人権を尊重する副司令、それらの一点張りを繰り返す両者の主張にはそろそろ辟易としてしまいましたね。

 

 

第24話「カイザーの侵攻」

 プラウトゥス戦で惨敗を喫したリンカーたちを見て、とうとう副司令が反旗を翻すことに。しかし司令官を拘束してリンカーを出撃させないように徹底してきた時は思わず首を傾げてしまいました。これまでも子どもたちのことを想って行動していた副司令ですが、明らかにそんな場合じゃないので今回ばかりはその気持ちが暴走してしまったように感じますね。ここまでの展開自体がヨンフ母とレシアスの目論見通りっぽいのもあって、Dアーマーが内部分裂していく過程に歯痒さを覚えてしまいます。

 そんな内ゲバ状態を狙ってきたのがお久しぶりのカイザー軍。最近はすっかり影が薄くなってので今更出てくるの?と最初思いましたが、Dアーマーの基地に潜入しての戦闘シーンでは普通に追い詰めてきたのでびっくりしました。前半では何度も敵として立ち塞がってきた連中の強さを改めて感じ取ったところで、肝心な場面で判断を間違える副司令にこれまたツッコみたくなってきます。

 そしてヨンフが裏で糸を引く母親にようやく向き合う瞬間がこの回で最も重要な場面になっていたと思います。母の目論見を薄々気付いていたというのは意外でしたが、それでも黙っていた理由として「母の愛を信じたかったから」が出された時は何も言えなくなりました。全ては自分のことを愛している故の暗躍だったと、愛されていると思いたかったヨンフのいじらしさに涙が出てきます。そしてセナの一件で母の愛が偽りだとわかるや否や、彼女と決別する言葉を残していく姿にこれまた感動させられました。

 

 

第25話(最終話)「決戦の日」

 大ピンチの中始まった第1シーズン最終回は、ヨンフの檄を飛ばすシーンにまず目を奪われました。副司令の命令で待機していたリンカーたちが、命令違反してでも出撃する瞬間には思わずテンションが上がってしまいましたね。ここまで大人たちの手のひらで踊らされていたものの、他の誰でもない自分たちの意志で動き出す子どもたちに彼らの自立と反抗という名のカタルシスを感じ取った次第です。

 ……と最初こそ少年少女たいの反撃に興奮しましたが、カイザー軍側に寝返ったハンギョル先輩の登場でそのハイテンションを一気に引き下げられてしまいました。アーマードサウルスの技術を盗んで作ったという「サイボーグ恐竜」は素直にカッコよかっただけに、そのパイロットが先輩だという事実はあまりにもショッキングの一言。17話での退場から先輩の再登場を期待していましたが、まさか闇堕ちして出てくるとは思ってもみなかったです。

 しかもハンギョル先輩と副司令が語ったリンカーの真実にはさらに仰天しました。セナだけでなく、リンカー全員がゲノム編集で造られた子どもたちというのは予想外すぎて開いた口が塞がらなかったです。(「偽物の親を用意した」と説明していましたが、彼らの家族もグルなのかはたまた記憶操作されているのか気になりますね)これには問う人物みんなが絶句するのも無理はなかったですし、セナに問い詰められた司令官の「尊い犠牲」発言も詭弁に聞こえてなりません。これまでとは比べ物にならないショックを前に、壊滅したDアーマーの光景を見つめるほかありませんでした。

 

 

 というわけで今回のアーマードサウルス感想でした。いやぁ……最終回が衝撃的すぎて本当に唖然としましたね。てっきりセナだけが造られた存在かと思いきや、他のリンカーたちもみんな人為的な兵士だったというのは驚愕するほかないレベルの情報でした。セナが逃げ出しハンギョル先輩が裏切るのも納得ですし、ここまで溜まりに溜まっていた大人たちへの不信感が完全に爆発してしまったように思えます。それに22話で親を知らないセナの悲しみをわかったように語る少年たちが描かれていましたが、これらが全員に当てはまってしまったのは皮肉としか言いようがありません。

 余談ですが、中盤から終盤の展開ではヨンフが個人的に最も印象に残りました。落ち込むジンや悩めるセナの側に寄り添ったり、自分を支配してくる母親と向き合う姿には何度も感動させられましたね。登場当初の鼻につく態度や母の件で苦悩する姿から見違えるほどに変わったと言えます。本作で最も成長したと言っても過言ではないヨンフの今後には、密かに期待に胸を躍らせていたり……

 そしてリンカーたちは上述の真実を知り戦意喪失、Dアーマーはエターナルコアを奪われて完全敗北し、レシアスは人類の滅亡を確信して独自に動き出すなど完膚なきまでに絶望的な終わり方となりました。しかも機械恐竜帝国の支配者である「黒竜グリマー」もついに地球に降り立ちますし、ここまで救いようのない最終回はあまり見たことがありません。ラストにジンが目を覚ましたものの正直ここから勝てる気がまるでしませんが、果たしてシーズン2(第2シーズン)ではどうやって逆転していくのか……それを楽しみにしながら今回はここで筆を置きたいと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。