ドラ娘ストーリー編第2章の第3話が先日公開。3話は熊田すずが主役ということで酷い目に遭わされそうだな……と身構えていたのですが、彼女が自身の内面と真摯に向き合うストーリーが展開され結構感動しました。弄られキャラながら、それ以外にも多くの魅力を内包したすずのキャラクターを堪能出来て大満足です。というわけで今回はすず編の感想を軽く書いていきたいと思います。
- 誰かの声を聞いて天才美少女となる時
冒頭にもある通り今回の主役は「熊田すず(くまだ・すず)」。「天才美少女」を自称する高飛車キャラで、小さい体とやや怒りっぽく負けず嫌いなところが印象に残ります。特にゼオスにマスコットの如く可愛がられるシーンが多いですね。またアーシュに次いで不憫な目に遭うので、苦労人のイメージも強いです。それでいて面倒見の良い一面も持っており、わかりやすいツンデレキャラとも言えるでしょう。ちなみに元ネタである《悪魔龍 ダークマスターズ》は、実はパズドラこと『パズル&ドラゴンズ』のコラボカードだったりします。他作品とのコラボがこうして美少女擬人化されるというのも、デュエマの面白さだと感じますね。
さてこの回ではすずがいきなり大人のプロポーションを得るという、ファンなら度肝を抜かれたであろう展開がいきなりやってきました。(まぁ以前から赤ちゃん化したり色々あって慣れた人もいそうですが)自分の体形の幼さがコンプレックスだったすずにとってこれは願ったり叶ったりだろうとは思っていましたが、そこから色んな人のお悩みを解決していくのはちょっと予想外。これは上述でも触れた他人の面倒をよく見てくれる性格が、大人になった余裕で表面化していったということなのでしょう。周囲も助かって当人も満足げで微笑ましい反面、身長の低い自分のことがあまり好きになれていなかったのだろうというすずの在り方に少々複雑な気分にさせられます。
そんなすずが一般生徒たちの不満を聞き、そこからアーシュたちの想いを知ってからの変化は大きな見どころになっていました。優秀故に独りよがりになりかけていたところを、自分の努力を見てくれたアーシュの言葉(そしてマロンの格言)に救われるのは結構グッときますね。背が小さいとか関係なく、ありのままの自分を評価してくれるのはすずにとっては何よりも欲しかった言葉だったのかもしれません。プライドの高いすずが自分の考えを押し付けずに、生徒の言葉に耳を傾けてみせる成長は中々に素敵な過程となっていました。
そして新入生交流会の準備で騒ぎを引き起こしていた「ジェニー」ちゃんとのババ抜き対決では、自分とジェニー両方を勝たせる奇策を使ってきたのが面白かったですね。ジェニーの気持ちも慮って、多少強引ながらこの判断を下せたことに見ていて膝を打ちました。自分だけが勝つのではない、みんなも笑顔にする選択を取れる余裕を手に入れたすずに親戚のような感慨深さを覚えた次第です。
前回・前々回に続き、本作の見どころの1つであるクリーチャーの元ネタも例によっていくつか見られたので、本筋の所感も合わせて触れておこうと思います。
- ジェニーちゃん
すずを大人の姿に変え、準備に明け暮れる生徒たちの邪魔もしていた今回のクリーチャー……と思われますが、描写的に元々ただの人形だったかのようにも見えたキャラ。動機も「遊んでほしかったから」という捨てられた人形にありがちなもので、不気味ながら憎めない塩梅に仕上がっていました。人形に戻ってからまたもやあの宝石が出たりと謎は残っていますが、今のところはすずに引き取ってもらえて何よりです。
元ネタは言うまでもなく《解体人形ジェニー》。初登場時である転生編当時では珍しいホラーチックで可愛らしいゴスロリイラストで人気を博し、今や派生カードが大量に存在しているカードですね。アイドルカードとして一定の需要があったことから、ある意味でドラ娘の大先輩と言えるかもしれません。(この「かつては遊んでもらえたのに捨てられてしまった」背景は、元ネタのカードで解釈すると「環境で使われなくなったカードの悲哀」とも読み取れますね)
- ババ抜き対決(ハンデス)
すずVSジェニーちゃん線である、異空間のババ抜き対決。(やっとカードゲームらしい要素が出てきましたが、デュエマではないのがドラ娘らしいですね)上述にもある通り両者共にカードを失うことで引き分け、転じて双方の勝ちとする決着の付け方は個人的にもかなり好みでした。屁理屈に近いですが「カードが無くなった方の勝ち」というジェニーちゃんの言葉を上手く解釈した結果と言えます。
そのカードを突然失う展開ですが、すずとジェニーちゃんそれぞれの元ネタがハンデス能力持ちなのが絶妙。思えばババ抜きというチョイスも「相手のカードを奪って徐々に減らしていく」ハンデスの様子を描いたものだったのかもしれません。こじつけながらこうした元ネタに即した内容を見せてくれるのは嬉しい限りです。
- ホネ
お前はマジで何なんだ。以前投稿されたアーシュが子どもになる回*1で初登場して以降、ちょくちょく出番がある準レギュラー的存在ですね。元ネタもよくわからないので、個人的には結構困惑の元になっていたりします。今回も大人すずをすず本人と気付かず混乱しているだけで、何しに出てきたのかよくわからなかったです。
ただアーシュを謎の幽霊(《ゴースト・タッチ》のイラストに描かれているヤツ)から守ってくれたりと、悪いホネではないのは確か。その内正体をハッキリさせて、アーシュたちとちゃんと友達になってほしいところです。ワイトもそう思います。
さて次回のストーリー編の主役はやはりギャイになる模様。ラストにオトンから電話がかかってきたと思ったら「引っ越し」という不穏なワードが出てきて少々ザワついてしまいました。ただギャイとメガが幼い頃ケンカした話や、離れ離れだった中学時代などの掘り下げもありそうで楽しみでもあります。電話をかけてきたギャイのオトンの元ネタが何か(暴拳王国繋がりで《兵繰凄の鎖 サイノ・ブサイ》とか《世界獣龍 テライグニス・アクアエル》だったりして)も気になるところです。
ではまた、次の機会に。