新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

ヤング ブラック・ジャック 第2話 「拉致」 感想

命の価値
この超展開、まさしくブラック・ジャックだ……






















・借金と心臓
 今回は冒頭から主人公が半裸で捕らえれている場面から始まります。ある意味さすがである。どうやら3億もの借金を抱えている間は支払いのために自分たちを捕らえた取り立て屋の立入に心臓を売られそうになっていて正直ついていくのが大変でした。しかも藪さんまで一緒に捕まってるし。しかし間の借金の理由は彼の話を聞く限りだと間違いなく母親……でしょうね。
 心臓移植を求めている相手と適合するとわかった2人の内の1人である間(他の人たちは普通に返してくれました。しかも毛布付きとか優しい!)は移植手術をすることについて出来る医者はいるのかと疑問を持ちますが、裏の世界に生きる「ドクタージョーカー」なる人物が手術するようです。名前だけなら原作に普通にいそうですね。


・まさかの手術
 手術を依頼してきた怪しい教団の教祖であるおじいさんに金を叩きつけられてさぁ心臓が抜かれてしまう、と思ったその時ドクタージョーカーがこっちにこっちに来られなくなるというハプニングが。おいおい結局ドクタージョーカー来ないんかい!?どんな人物かちょっと期待しちゃったじゃないか!
 それはともかく手術する人がいなくなった状況で返してもらえるかと思いきや立入に手術しろと言われる間。しかももう1人の適合者であるレイモンドから自分の心臓で手術してくれと頼まれる始末。どうやらレイモンドは病気の妹を手術するための金を心臓を売ることで手に入れようとしているようで、間は彼の思いに応えて手術することを決意します。しかし……。


・命の重さ
 間が心配で戻ってきた藪さんが助手についてくれていざ手術するという中(ちなみにここに来てようやく服を着ます)、間はレイモンドの腕が麻酔をかける瞬間まで震えていたところを見たせいで人1人の命を手にかけようとしていることに気付いて突然腕が止まってしまいます。しかしメスを入れようとする彼を藪さんが止めます。
 かつて太平洋戦争の現場で軍医をしていたという藪さんは目の前で救えず苦しんで死んでいく兵士たちを見てきたせいで血を見るのが怖くなったらしいです。ちゃんと血が見れない理由があったんですね。戦争の経験者が死にたくなかっただろう兵士たちを見てきたからこそレイモンドも死にたくないとわかる、みんな生きたいことをわかっているのがいいですね。そして彼の将来を第一に考えて説得してくれる藪さんはすごい。でも結局無免許になっちゃうんだけどね。
 そうこうしている内に爺さんの方がアッサリ死んでしまいます。その後告げられる「手術を開始する」という言葉。あれ?


・まさかの結末
 何故片方が死んだのに手術するの?あれから数日後と思われる場面でとか思っていたら死んだはずの爺さんが間たちのところにやってきて彼にレイモンドと呼ばれていました。おいおいまさか…………。そして肝心手術場面の回想に入ったところで、

 間「骨格が……似ている……!」

 原作の『ブラック・ジャック』を呼んだことのある人ならこの時点で気付いたことでしょう。そう間はレイモンドの顔を爺さんと全く同じ見た目に整形したのです!骨格が似ていても年齢とか体格はどうすんだよ!といったツッコミを放っておいて勢いでやっていたので最初は驚きましたが、「そういえば原作でもさらっと患者の顔を整形しまくっていたなぁ」と過去のことを思い出して少し懐かしくなりました。


 結局手術は何とかなり、間もレイモンドも無事に死ななくて済みました。藪さんのヒロイン度を感じ取ったのはもちろん、まさかの顔を変える展開にはかつて読んだブラック・ジャックのテイストを感じて懐かしい気持ちになりました。何だかんだで原作を意識し、それでいて違う風味の作品に仕上がっているのが面白いですね。
 さて次回は謎の外人を連れた若者2人が映った時点で嫌な予感しかしない…。しかも本間先生が出てきそうですね。


ではまた、次の機会に。