新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

サンダーバード ARE GO 簡易感想(第18~21話)

 

 

 月イチ恒例であるサンダーバード ARE GOの感想シリーズもついに第5回を迎えることになりました。毎回のことですが、この記事を開いて感想を見てくれている皆様に感謝の想いを送りたいです。

 

metared19.hatenablog.com

metared19.hatenablog.com

metared19.hatenablog.com

metared19.hatenablog.com

↑前回までの感想についてはこちらの記事を参照。

 

 さて先ほども書いたようにARE GOの記事はこれで5回目。今回のサムネであるサンダーバードの玩具も5号を貼り付けており、これで1号から5号までの全サンダーバードをブログで揃えることに成功しました。(本作にはもう1機サンダーバードがいるのですが、それは次回ということで)このシリーズを始めてからずっとやりたかったことをようやく達成出来て、個人的にはちょっとだけ感無量の領域に入っていたりします。

 それはともかく、今回は18話から21話までの4つのエピソードの感想を書いていくのでよろしくお願いします。

 

 

 というわけで以下、今回の簡易感想です。

 

 

 

 

 

第18話「マックス 北極圏へ出動!」

 ブレインズのサポートメカ兼相棒を務めるマックスをメインに据えたエピソード。以前から可愛らしい挙動の多いロボットでしたが、今回初めて救助活動に駆り出される中でその可愛さがより強調されているのが特徴的な回でした。崖にしがみついたり発電所のアンテナを取り付けるシーンの健気さ、そして勇ましさがこれでもかと堪能出来たのでかなり満足度が高かったです。インターナショナルレスキューのマスコットの、頼れるヒーローとしての一面を描いたような内容でした。

 同時にマックスと彼を開発したブレインズの関係性も興味深かったです。まだ小さいメカに過ぎなかった頃のマックスの写真を懐かしそうに見たり、彼を操作する中で静かに呼びかけるブレインズの姿にはどこかウルっときてしまいました。ブレインズが我が子のようにマックスを愛していることがよく伝わってきます。スコットたちに対する「機会に入れ込みすぎじゃないか」発言には驚いたものの、科学者ならではの感覚なのだろうと個人的には考えています。(マックスのメインのディスク(電子頭脳でしょうか)が無事なことに喜んでいた辺り、重要なのはボディではなく“精神たる中身”ということなのかもしれません

 またこの回は珍しくスコットが苛立ちや焦りを見せているのが印象的。冒頭ではトレーシーアイランドに誰が先に帰還するかを兄弟たちと競っている微笑ましい光景を見せていただけに、一刻も早く現場に着こうと無茶をする姿には少しだけショックを受けました。(余談ですがこの冒頭のシーンで、非常に珍しい「サンダーバード各機の帰還&基地に格納される様子」が描かれていたのが良かったです)あの長男がこんな様子を見せたのは意外でしたが、諫めるバージルに「パパのようにならないと」という心情を吐露するシーンでいくらか納得がいきました。行方不明の父の代わりにみんなを引っ張ろうとする長男なりの責任感だとわかったのはちょっと嬉しかったですね。その後の無理をしすぎないことを教えるバージルとのやり取りもあって、最後にはいつものスコットに戻ってホッとしました。

 

 

第19話「小さな科学者」

 この回は無人の違法採掘機を発見した親子が通報中、地盤の陥没によってマシン内部閉じ込められるという場面からスタート。子どもが被害に遭っていることもあってかなりハラハラさせられるのですが、その「エイデン」少年の活躍ぶりが凄まじかったです。インターナショナルレスキューのファンにして科学オタクというキャラクター、自作の3号の模型に内蔵していたエンジンで無線機をその場で作るハイスペックさには驚かされました。それにしても3号の模型とはわかっているなお主……マシンから降りる際のロープも事前に用意してくれる準備の良さにも舌を巻きます。

 一方で苦しむ父親や今にも潰れそうな内部の状況に怯える様子も見せるので、この辺りは子どもらしいかなぁ、と感じました。(まぁあの状況は大人だろうと怯えそうですが)それだけに、怯えるエイデンに無線越しで優しく声をかけるゴードンの優しさがしみましたね。ゴードンの「レスキューの鉄則は落ち着くこと」というアドバイス、そしてエイデンに質問や指示を出しつつ励ます流れにはプロのレスキューらしさが溢れていました。何よりエイデンを“1人の人間”としてきちんとに扱ってくれているのが素敵です。救助後親子共々トレーシーアイランドに招待されることになってエイデンが喜ぶ様子なども相まって、サンダーバードのファンの子どもに向けたようなエピソードに仕上がっていたと思います。

 

 

第20話「伝説の金庫破り」

 20話は何とパーカーが主役のエピソード反物質格納庫に閉じ込められた「アリス」教授を救う依頼を受ける中、彼がかつて金庫破りの名人にして海賊だったことが明かされるシーンには劇中のペネロープのように驚かされました。(当人は頑なに否定しようとしているのがまた面白いです)ペネロープですら知らなかった過去を持っていたパーカーが如何にして彼女に父親に拾われて執事になったのか、その経緯に俄然興味が湧いてきましたね。

 そんなパーカーの格納庫を開ける手段はとても単純ながらなるほどと感心させられるものばかりでした。ガムで教授の指紋を写し取って指紋認証を突破したりピッケルで扉の急所を探し当てたりと、身近な道具で少しずつ解決していく様子は中々に痛快です。加えてペネロープが的確なアドバイスやサポートをしてくれるのがまた素晴らしかったです。2人の名コンビっぷりを味わえたのもこの回の醍醐味でしたね。

 対してインターナショナルレスキューの出番は少なかったものの、格納庫を誰もいない鉱山にまで運ぶという重要な作業をしてくれたのでこちらはこちらで大切だったと感じましたね。いざという時のスコットの救助シーンなどハラハラさせられた一方、安定したコンビネーションを見せてくれたと思います。

 

 

第21話「ハレー彗星での冒険」

 75年周期で地球に接近するハレー彗星*1の尾に突入した無謀な冒険家を救助することになった回。今回の救助者である「ラメアー」は全体的にどこかのんきで、自分たちが危機に直面してもチーズの心配をするわカメラ撮影を止めないわやりたい放題でした。しかも宇宙船を壊したら弁償を要求してくるシーンもあるので見ていてフラストレーションが溜まりましたね。(同行している夫人はきちんとお礼を言ってくれたのが救いでしょうか)

 そんなラメアーの救助活動は氷と岩の破片が飛び散る彗星の尾から、彗星本体に墜落する展開もあって迫力満点。ハレー彗星そのものに降りる内容は他作品でもまず見られないので、この辺りにはテンションが上がりましたね。

 そして視聴者と同じように、ハレー彗星を見てテンションが上がりまくっていたアランも印象的。念願の彗星を前にして救助活動中でもちょっと浮足立っていたのが可愛らしかったです。それでいてラメアーが足を踏み外した際、迷わず飛び込んで助けにいくなどやるべきことはきちんとやっていたのが見事の一言。何だかんだで公私をきっちり分けつつ切り替えられるアランには惚れ惚れしますね。

 

 

 余談ですが本作のサンダーバード(以下「ARE GO版」と表記)各機は、原作のものとは大なり小なりデザインが変更されているのが特徴的。4号のように見た目がほとんど変わっていないものもあれば、まるで別物と化した5号の例もあります。他にも2号のポッドシステムや3号のアーム展開など、原作ではなかった要素も追加されています。

 これらARE GO版の変更は当時とは異なる科学的な解釈が行われるようになったことに加えて、現代ならではの事情も多く鑑みてのことなのでしょう。実際レンタル版最終巻に収録されているインタビュー映像では、何故このように変更したのかが事細かに紹介されていました。

 中でも個人的に印象深いのはARE GO版サンダーバード1号のコックピットの真下に大型の窓が設置されている理由。「真下の地上やそこにいる救助者を確認・アイコンタクトするため」そして「1号の形状から兵器だと思われないようにするため」という2つの理由が説明された時は大いに感動しました。1号は確かに今の人たちはミサイルのように見えてしまう可能性を孕んでおり、それを回避するために工夫を重ねていることにちょっとした感銘を受けます。サンダーバードを強力な武器・兵器ではなく、人々を救うための乗り物として扱おうとする、現代の作り手たちの原作への敬意と柔軟な発想が感じられるエピソードでしたね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:本作の時代設定は2060年なのだが、現実世界におけるハレー彗星が接近する年は2061年とされている。本編開始から1年ほどが経過しているということだろうか。