久々にやってましたアーマードサウルスの感想シリーズ。何だかんだで残り僅かまで来ました。ここまで続けられたのも、少し少しですが読んでくださっている読者の皆様のおかげだと感謝しております。シーズン2、ひいては本作の完結を拝むまでにもう少しお付き合いくださいませ。
↑前回までの感想についてはこちらの記事を参照。
というわけで今回感想を書くのはシーズン2の9話から12話まで。タウセティ族の参戦でどんどん戦力図が複雑化しているうえ、何か企んでいる連中の多さに視聴中疑心暗鬼に陥りそうになります。果たしてそんな状況で子どもたちはどこまで自分を貫けるのか、その点にも注目していきたいですね。
第9話「出生の秘密」
タウセティ族とガーディアンズの対決の後、サブタイにもあるように今度はアインが自分の親について思い悩むことに。夢の中で知らない女性に「私はママよ」と言われるのは中々に恐怖で、加えてテオたちの会話からリンカーの秘密を知る瞬間は彼女がどれだけの不安に苛まれているのかが克明に描かれていました。とはいえヒョン司令官に相談するなど、即座に原因を調べようと行動する姿勢は流石といったところ。戦いに赴く際も引きずりすぎなかったことからも、アインの意外と強い一面を目の当たりにしました。
どちらかというとそんなアインを心配するセナを筆頭に、彼女のことで色々を心配してしまう周囲が印象に残りました。セナがチョル司令官にアインのデータの抹消を申し出た時には耳を疑いましたが、アインに傷付いてほしくない気持ちの一心だったことはわかります。(結局大きなお世話という感じでしたが……)そしてアインについて調べるヒョン司令官と、結局データを消してしまうチョル司令官が悪い意味でタイミングが重なってしまう展開ももどかしいものを感じました。この各人物の思惑が絶妙にすれ違っている光景は、いつにも増して心にしこりを残していたと思います。
第10話「宇宙勢力の参戦」
というわけで宇宙から来たタウセティ族との戦いが1話に渡って描かれた今回。巨大なアーマードサウルスに等身大のタウセティ族は厄介だろう、と思っていたので予想通り苦戦しがちな様子が目に留まりました。それでいて小型ラプトルを操るアインや、空中戦で翻弄するヨンフといった特徴的な面々が活躍していたのも納得の絵面でしたね。その分Aリンカーの「ドハン」が突然戦果をあげだしたことに驚きを隠せなかったのですが。
そしてリンカーたちが奮闘する中で、またもや怪しいレシアスが登場。ガーディアンズとプレザカレスのリターンマッチはぬるぬる動いているのもあって大興奮でしたが、敵側を逃がせというレシアスの指示に首を傾げることになりました。その命に疑問を抱く者たちでガーディアンズ側に亀裂が入るわ、司令部はレシアスを疑うわとドンドン不和が広がっている点に息を飲みます。本当にレシアスは何を考えているのか、まるで読めませんね。
一方でタウセティ族側は、忠臣プレザカレスの最期がどこか切なかったです。逃げた先でプラウトゥスに倒される展開は無情でしたが、ある程度彼らの思惑を果たせたのか満足げに逝ったのが印象的。上司の「ヘクトロンバ」も彼の死を悼みながら賞賛する辺り、組織としては割とこちらの方が統制が取れているようにも思えました。
第11話「首長竜の登場」
2期の目玉となっていた水中戦がいよいよ始まることに。何故いきなり海で戦うことになるのか以前から疑問だった中「残り30%のエターナルコアは海底にある」可能性が出てきた話で腑に落ちました。というわけで各陣営が海中でも活動出来る装備を整える準備回となり、アーマードサウルスの装備も一新されるなど目新しいものが満載で楽しかったです。恐竜たちがフワフワと水の中で動き回る絵面も、どこか新鮮で見応え抜群の一言。また個人的にはJJ軍が「サイボーグティロサウルス」をいきなり投入してきたことにびっくりしましたね。
そして人類側はAKグループ、つまりヨンフの母が海中用のアーマードサウルスを用意していたのが大きなポイントとなっていました。ただ周囲に隠し通し、勝手に開発していたヨンフ母が悪い意味で相変わらずすぎて変な笑いが出てきます。自分たちがDアーマーの主導を握ろうとしているのがバレバレなヨンフ母と、彼女が送り込んできた首長竜に一抹の不安を覚える初水中戦となりました。
(あと余談ですが、水の中ということで翼竜を駆るヨンフが必然的に主力を外されるのがちょっと寂しかったです。その分上述の首長竜を操るヨンフの弟が物語をけん引していくのでしょうが……)
第12話「新たなエースの登場」
上述の通りヨンフの弟「ヨンジン」が新たに参戦したこの回では、彼の厄介なキャラクターに振り回されることになりました。まずエリート気質で傲慢な態度が目に付きますね。兄やセナに度々対抗心を燃やしている点も、彼のプライドの高さを表していると言えます。(これで表向きは爽やかイケメンを気取っているのが何とも痛々しい)ただこれらが全て母の期待を背負っている背景もわかり一気に可哀想に見えてくるのが興味深いポイント。親から離れた兄に対して、この弟は母の呪縛に囚われたままでいる対比に残酷なものを覚えずにはいられませんでした。
そして前々回絶好調だったドハンの真相が判明。多くの大人たちが彼にエターナルコアが撃ち込まれていることに気付くシーンで愕然となりました。十中八九チョル司令官の仕業だと思われていますが、ここまでの彼の独善ぶりを見ていただけに否定しずらいのが何とも酷いですね。(それを踏まえたうえで見ると、今のドハンのムラッ気の強さはジンに通じるものがある、つまりジンと同じように体内にエターナルコアを宿している可能性が読み取れるのが面白いところ)ともかくSリンカーだけでなくAリンカーたちも不憫な目に遭っていて怖くなってきます。
また海中の戦闘で、ハンギョル先輩の襲撃でヒョンソク窒息死の危険が迫るシーンは緊迫感がありましたね。酸素ボンベを壊されるだけでリンカーも恐竜も死にかけて沈んでいく様子を、淡々と見せてくるのでじわじわとした恐怖を覚えずにはいられません。ジンたちが必死に駆けつける姿も相まって、気が気でなくなるラストシーンでした。
今回の感想はここまで。別勢力の投入や大人たちの暗躍など、ドンドン話が入り組んでいく中で、少しずつ自立していく子どもたちが印象に残るエピソードが多かったです。上の感想に書いていないものでは、9話でDアーマーを抜ける決心をしたテオが特に気に入っていますね。これ以上道具として利用されることを嫌い、戦いから降りてでも自分の人生を貫こうとした点は個人的にも評価したいところ。ドハンの例もあるので、テオのように“逃げる”選択肢を深く感じることもありました。
さて次回で簡易感想は最後ですが、このアーマードサウルスの終わりがどうなるのか色んな意味で気になっています。最早風呂敷を畳み切るのは不可能なのでは?と察しつつも、だからこそどのように終わらせてみせるのかに期待したいところ。僕も最後まで本作を見届けていく所存です。
ではまた、次の機会に。